更新日1999年7月29日

惑星間空間衝撃波の解析

−惑星間探査機のデータから太陽のフレアによる衝撃波を検証する−

門崎 学    

要旨

 惑星間空間におけるHelios1、Helios2、IMPの各惑星間空間探査機からの太陽風に関するデータを用い、惑星間空間衝撃波の起源と構造の関係を解析することを目的とした。解析の対象とした衝撃波は、2機の探査機Helios1、Helios2の両方がデータを送ってきていた、1970年代中頃から1980年代始めまでのものである。特に1978年4月8日の2Bフレア、及び1978年12月27日のTypeU、TypeWバーストを伴った3Bフレア、プロミネンス爆発に関する2つの衝撃波を取り上げた。それを伝搬速度、磁場構造、Hα画像などを用い3次元的に分析した。また、衝撃波の2次元的、3次元的な伝搬特性を調べ、さらに、衝撃波の後の擾乱を調べた。その結果、前者の衝撃波より後者の衝撃波の方が伝搬速度の減速率が小さく、エネルギーの注入時間が長かったのではないかと推測される。衝撃波の磁場構造については、前者の場合には大きな螺旋構造の磁気雲の中にもう1つの螺旋構造をもつ磁場が存在し、後者に1つの磁気雲の存在が確認された。